不思議なクレヨン①

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不思議なクレヨン①

ピンクのウサギは山まで来ました とてもとても高い山です 上を見てもてっぺんが見えません 「あそこに行けば淋しくないのね!」 なんの根拠もありません ピンクのウサギはピョンピョンと 山を登りだし、ほどなくして 「何だか寒くなってきた!んバッ!!」 カチカチ震えてきました 辺りを見回すと 真っ白でした前も後ろも右も左も下も かろうじて上には 太陽がうっすらと見えているだけ ピンクのウサギは 「うぁーん 真っ白やだー !寒いし!」 すかさずピンクのウサギは 真っ白さんをその場に作りました 真っ白さんはしゃべりません 「真っ白さん みんな真っ白さんになっちやったよ?つまんないね」 真っ白さんはしゃべりません ただ、その目と決められた場所は 何かを見つめていた 見つめていた先には 小さな箱のようなものが 「んばっ!!なにかしら?」 その箱の中には 色とりどりのクレヨンが入っていた 「クレヨン?」 トボトボしながら真っ白さんの横に座り 赤のクレヨンを手に取り眺めていた 「これが温かい火だったら…」 パチパチパチパチ 「キャ!!熱い!!」 クレヨンが音を立て出した クレヨンが炎のように熱くなったのだ まさかと思いそのクレヨンで 落ちていた板に炎の絵を描いてみた すると バチバチバチ 板に炎が張り付き音をたてていた その周りはとても暖かかった 「んばっ!!凄い!!真っ白さん凄いよ暖かくなったよ!!」 真っ白さんはしゃべりません 溶けながらこちらを見つめているようでした 「真っ白さんありがとう!!んばっ!!」 真っ白さんは溶けてなくなり ピンクのウサギは不思議なクレヨンを手に入れました
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