第2章 三島という刑事

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次の日の土曜日、学校が休みでも朝から学園祭の準備があったのだが、美由紀は行く気になれなかった。 昨日の順子の言葉が、頭をよぎる。 ( あそこに何かが居るのよ!) 美由紀はけやき並木の手前で立ち止まり、通り行く人々を眺めていた。 年配の夫婦でウォーキングしている人や、犬の散歩をする人。小さなボールで戯れる子供達。 誰もが普通に、この散歩道を活用している。 茂った木々を見渡しても、どうという事もなかった。 「こんにちは」 後ろから、声を掛けられた。 美由紀が振り向くと、男性が一人立っていた。
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