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「え?」
順子はもう一度、懐中電灯の光をそこに向けた。
そこには女の顔があった。
つららの様に逆さまにぶら下がり、ぼさぼさの髪の毛は逆立っている。
身体は茂みに隠れて、逆さまに向いた顔だけが、異様に浮かんでは、順子を睨んでいた。
「き、きゃあー!」
順子は懐中電灯を放り投げて、来た道を一目散に駆け出した。
助けて…助けて!
順子は無我夢中だった。
あれが何なのか考える余裕もなく、ただ恐ろしかったのだ。
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