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公園の入り口を出た所で、順子はルビーを忘れて来たことに気づいた。
順子は少し迷ったが、置いて帰る訳にもいかない。
仕方なく、恐る恐るけやき並木に引き返して行った。
「ルビー、ルビーいらっしゃい」
順子は誰かに聞かれない様なか細い声で、ルビーを呼んだ。
しかし、ルビーの鳴く声はしない。
「ルビーったら、お願いよ」
並木道の真ん中辺りで、捨てた懐中電灯の光がゆらゆらと、木の幹を照らしている。
と、そこにルビーのリードが照らされていた。
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