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順子はけやきの茂みを気にしながら、砂利道をゆっくり進んだ。
「ルビー、帰ろう…」
とリードを引っ張ろうとした時、舌を伸ばしてこちらを見つめていたルビーの顔が、ゴトッと動いた。
「いやあーっ!」
そこには懐中電灯に照らされて、顔から下がぐちゃぐちゃに潰れたルビーの身体が横たわっていた。
腰を抜かして倒れ込んだ順子の上で、またパキッパキッと音がして、何かが勢いよく降りて来た。
ザザッ!
順子の目の前で、逆さになった女の顔が笑っていた。口元には赤いものが滴り落ちている。
そして順子はそのまま、意識を失くしてしまった。
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