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しばらくすると「美由紀…」と順子が背中を向けたまま、口を開いた。
「順子、大丈夫?」
すると順子は寝返りを打って、美由紀の方を見た。
どこか怯えている。
「私、見たんだ…、あの公園の散歩道で…」
「え…?何を見たの?」
「吊るされた女が…けやきの木の上から、吊るされた女が降りて来たの。本当よ!」
順子は既に涙目になっていた。
「順子、落ち着いて。余程怖かったのね」
しかし順子は、美由紀の言葉を遮る様に「誰も信じてくれないの!あれは人間じゃない。あそこには何かが居るのよ!」と訴えかけた。
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