2.彼と少年の時間

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2.彼と少年の時間

入院2日目で、飽きがきた。こういうとき、俺の性格が疎ましく感じるのだが、なかなか直すこともできない。 ベッドに横になりすぎて、頭痛がしてきた。一日中テレビを見ていたせいでもあろう。なんせ、母は、用事を済ませようと一度家に帰っている。今は、話し相手がいない。 つまるところ、見張りもいない。 傾く夕日が、背中を押した。 俺は、軋む体をおして、外出することにした。こういうとき、個室は良い。あーだこーだ、面倒な人付き合いもないのだから。 売店にでも行ってみよう。ついでに、アイスと雑誌でも買うか。 暇すぎる。 からからと点滴を転がし、俺は廊下を歩いていく。エレベーターへと向かう途中、少し広めのスペースを通りかかった。 将棋をうつおじいさんたち。 ティータイムを楽しむマダムたち。 面会で孫と和むおばあちゃん。 さまざまな人間が、この談話室を使って、思い思いに楽しんでいた。皆、誰かと一緒。 だからこそ、彼女がやけに目についた。
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