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神山は、城島が持ってきた、厨房着に着替えて、王宮の厨房に来ていた。
厨房では、コジー達が早くも、忙しく動き回っていた。
厨房に入ってきた、城島達を見つけたコジーが、挨拶をしに来た。
「やあ、おはよう。旦那、龍花小麦、今朝早く届いたよ。」
コジーが、意気揚々と言う。
「そうか!此れで、一岩スペシャルが作れるぜ!」
城島が、にんまりとする。
「では、コジー。手筈通りに、頼むわ。」
「お任せあれ!」
その返事を聞いて、城島は厨房を出ようとして、あっ、と言って、踵を返す。
「コジー、ちょっと。」
城島はコジーを呼んで、耳打ちを【耳が何処に有るのか、判らないが】、何やらこそこそ話している。
「へえー、ハイハイ。あっ、そうなの!」
話を聞き終わったコジーは、神山の方を見て、城島と同じようにニヤニヤ【良く判らないが】とした。
城島と神山は、厨房を出ると、裏に回って、食糧庫に入っていった。
やや大きめの麻袋【様なもの】が、四袋無造作に積まれていた。
「こいつを全部、粉にするから、水車小屋迄運んでくれ。」
食糧庫の外に、荷車を横付けして、一袋ずつ肩にかついで、荷車に下ろす。
此の袋がけっこう重い。
ざっと、20㎏は有ろうか?
「気を付けろよ!一袋、10貫目の上あるからよ!」
後ろから城島が、声を掛けてくる。
「10貫目?此の一袋で、40㎏近いんですか?」
神山は、驚いた。
「今持ち上げた感じ、多くて20㎏ちょいって、感じだったけど?」
城島はニカッと、笑うと、
「俺も、此方に来たときには面喰らったが、どうやら人間は此方に来ると、パワーアップするらしい。」
「パワーアップ、ですか?」
神山は、「分からなくはない。」と、思った
。 此の世界に来て直ぐに、物の落下速度が、異様に遅く感じた事や。長い距離を歩いても、然程疲れを感じないこと等、感覚や体力が レベルアップ?したような感覚を覚えていた。
取り敢えず、小麦の入った麻袋を、全部水車小屋に運んで、水車小屋に備え付けてある大きな石臼に、小麦袋をセットした。
普段は外してある、水車のクランクのボルトをはめて、ストッパーを外すと、石臼がゆっくりと回りだした。
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