第1章 屋台のオヤジ、跳ぶ。

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神山たちは、巨大な翼龍【羽毛が生えているが】に乗ったまま、大きな町の上空に差し掛かった。 町の中央に、巨大な議事堂の様な建物。 翼龍はその上を通り越して、大きく旋回、議事堂の隣にある、これまた巨大な塔の上へと舞い降りた。 さながら、ヘリポートである。 「さって、行くかい。」 翼龍から城島が降りると、塔の上に鎧を纏った兵隊が、ドカドカと上がってきた。 全員、鎧と兜、盾と槍を身につけて、顔は分からなかったが、全員のお尻から長い尻尾が生えていた。 その兵隊たち、50人が、さっと正面、横一列に整隊した。 そして隊の中央の四人が、前後に移動した。 「一岩殿、お待ちしておりました。」 兵隊の退いた所から、ちょっと背の低い、やけに耳の長い、そして見るからに仕立ての良さそうな服を纏ったじい様が現れた。 面白い事に此のじい様、背広を、紳士服を着ている。しかも布地は高級シルクだ。 全体の雰囲気は、背広を着たヨーダである。 そして、この人?も、声を出してない。 でも、声が聞こえる。 「いい加減に、してくれよ。」 城島が、ウンザリと言った感じで、頭をカキながら、答えた。 「城島さん、此処に良く来るんですか?」 神山はコソコソと、城島に話し掛けた。 「ああ、此のところ、しゅっちゅうだよ。」 城島は、よく此処に来ているらしい。 「まずは、旅の疲れを、癒されよ。ささ、お連れの方も、ご一緒に。」 耳の長い、ヨーダのごとき人物が、 休憩室を進めてくれた。 此の人には、嘴も尻尾もない。 そして、声を発せず、言葉が聞こえる。 城島と神山は、一先ず案内された部屋に、腰を落ち着けた。 案内された部屋は、結構大きな部屋で、中央のテーブルに、大皿に盛られた果物【らしきもの】と、陶器の壺や御椀【の様なもの】 お茶か何かが、入れてある。 城島は、ズカズカとテーブルに近づき、大皿に盛られた、果物を手に取るや、ガブリっと口にした。 ジュルジュルっと、滴る果汁をすすり上げる。 「おい、お前さんも、やりな。」 そう言いながら、城島は神山に真っ赤なトマト【の様なもの】を放って投げた。
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