夜の修羅を駆ける少女は昼間は地味っ娘

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下校時間になると柚花はダッシュで家に帰って行く。幸いにも家は近くにあるから、すぐに家に帰れる。 家に帰ると「ただいまー!」と元気よく言い、自室へ走っていく。 柚花は部屋に入るとすぐに制服を脱いでくノ一装束へと着替える。 「やっぱり、この服が一番だね。家とか寝るときとか任務で着るには丁度良いし、動きやすいしねっ」 着替えると、すぐに明日の学校の用意をする。それを終えると一人でモンハンを始めた。 基本的に柚花は同じ学校の友達がいない為、任務までの時間の間はこうやって一人で過ごすことにしている。 とはいえ、柚花はゲームは下手くそ。心と心の駆け引きや真剣勝負は得意だがゲームの類いは下手っぴである。 「あー、もう辞めた!ジンオウガ倒せないし、1人じゃツマんないし。漫画でも読もうかしら」 そう言って本棚を見て取り出した漫画は某麻雀漫画である。 柚花の好きな漫画は少し男性寄りある。 命と命を賭けたギャンブル漫画にヤミ金業者を主役とした漫画、戦国の熱き男達の生きざまを描いた漫画、人の嘘を喰らいギャンブルに勝つ漫画、バブル崩壊後を描いたアウトロー達の野望の物語、最強高校生ヤンキーが日本を牛耳る物語などと、誰がどうみても女の子が読むような内容の話じゃないのである。
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