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「うへへ、『あンた・・・背中が煤けてるよ』か。ギャンブル漫画のセリフってなんかカッコ良くて素敵だなぁ。」
柚花がギャンブル漫画が好きな理由は勝負に生きる男の様々な情報のやり取りや心理戦、そして殺伐とした世界を生きるヒリヒリ感があるからだ。
この殺伐とした世界やヒリヒリ感は柚花が普段している夜のお仕事と同じである。
巨悪を倒すとは修羅という棘の道を行くという事である。ギャンブル漫画の主人公達もギャンブルという修羅場を潜るのである。
この柚花が生きている世界と同じヒリヒリ感がギャンブル漫画には有り、そこに柚花は共感している。
さて、もう6時になった頃である。そろそろ夕飯の支度をせねばならないので柚花は台所へと行く。
基本的に食事は柚花の担当で、柚花も料理は得意である。
「牛肉が沢山あるし野菜もこの前親戚から貰ったから沢山ある。すき焼きが出来そうだなぁ。お祖父ちゃん喜ぶぞ。」
お祖父ちゃんも妹も喜ぶであろう。しかし、一番喜ぶのは柚花自身である。
この食事を作る係りというのは役得なところがあるのだ。それは、柚花の食べたいものを食べたいときに作れるってところだ。
みんなの好き嫌いも考慮しているが、肉料理はみんな好きだし、誰も文句は言わないのだ。
ちなみに柚花の嫌いな食べ物は生物である。
お刺身とか無理なのである。特にイカやタコのお刺身とか絶対無理。
しかし、お祖父ちゃんと妹は生物が大好きなので、たまに刺身を買ってきてはみんなと食べる(少しだけ。)
「さて、始めますか。」
そう言ってエプロンを着て張り切る。
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