夜の修羅を駆ける少女は昼間は地味っ娘

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喫茶店「夜明けの鳥」 経営者は柚花の叔母(柚花の母の妹)にあたる人で、働いているスタッフはみんな現役の忍である。 故に柚花達の溜まり場ともなっている。 スタッフは普段は昼間ここで働いて夜になると本業をするという感じである。 この様に忍が働くお店はそれなりに有り、優花ちゃんの家も居酒屋をやっており、優花本人も高校卒業後は実家の居酒屋を継ぎながら本業すると決めているらしい。 「いらっしゃませー」 柚花が店に入ると気持ちのいい挨拶をする男性と女性。この人たちも忍である。 「あ、優花ちゃんもう来てる?」 と柚花が言うと普通に「優花ちゃんならあそこで待ってるよ」と言う感じで、忍達の殆どは顔見知りで仲が良い。 「優花ちゃんお待たせ!あ、いつものアイスカフェオレをお願いね。」 「柚ちゃん、急に呼んでどうしたの?てか、ここに来るのもその仕事着なんだね。」 そう言って学校の宿題をしている可愛らしいスカートを履いた女の子が優花ちゃんである。 髪の色は明るい茶色で、髪の長さは肩までかかっている。 「実はさ、昨日柿田組のビルに車で突っ込んでさ・・・」 柚花は昨日の事を詳しく話した。周りの客に聞こえないように小声でコソコソと話した。 「それは・・・もしかしたら闇の勢力によって情報が表に出ないように情報封鎖しているんじゃないかな?柿田組がケツモチしている政治家や新聞社って巨悪そのものだからね。昨日の目撃者に口封じしたり、場合によっては殺したりして情報を封鎖している可能性が高いよ。」 「いや、でもそこまでするかな?」 「するに決まってんじゃん!」 柚花と優花ちゃん、二人でうだうだと話していると女の子が話に割り込んできた。
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