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・・・ん?あれ?
なかなか近付いて来ない榛を疑問に思って、片目をうっすら開く。
「・・・ぷっ、くくっ、はは、あはははは」
え?何?
「ははは・・・、あーウケる。あき、本気にしちゃった?」
「榛・・・どーゆー事・・・」
ドンッ
俺の頬を掠めて壁に両手をつく榛。
え?え?
さっきまで子犬みたいな目をしていたはずなのに、今、その目は酷く冷たい。
「高校に入って、驚いたよ。ミニバスの時、俺の事、散々チビだなんだって虐めてくれたあきがいんだもん」
「・・・え・・・」
「しかもさぁ、身長の伸び代もなくて、今じゃ俺よりだいぶ、ちっせえし」
「は・・・?」
「俺さー、子供なりにコンプレックスだったんだよ、チビなのが」
何?どーゆーこと?俺が、榛を虐めてたって・・・あ・・・
小学生の頃、榛は女子よりも小さくて、可愛らしい顔をしていた。
そう言えば、俺、榛のことチビおんなって呼んでた・・・榛は泣き虫で・・・って、あれ、俺が泣かしてたんだ・・・
「思い出した?ほんと、あいかわらず無神経だよね、あき」
「あれ、は、ガキの遊びってゆーか・・・」
「ガキの遊びで傷つくヤツだっているんだよ!」
「まあ、いいや、今度は俺が、あきで遊んでやるよ。からかうだけのつもりだったけど、キス待ってるあき、結構かわいかったしな」
え?俺で遊ぶって・・・え、ちょっと待って・・・
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