駄犬のしつけ方

1/2
前へ
/195ページ
次へ

駄犬のしつけ方

部活を終え、榛とふたりで部室を出て人気の無い校舎横を歩く。 「榛、ラーメンでいい?」 俺の後ろを歩く榛に聞く。 「なんでもいいです!」 振り返ると笑顔で答える榛。 よかった。機嫌、直ってるみたいだ。 「樫村先輩、髪にゴミついてますよ」 そう言って後ろから、榛にツン、と後ろ髪を引っ張られる。 「あ、さんきゅ・・・」 いて、いててて。いつまで引っ張て・・・ 「ラーメンの前にちょっと付き合ってください」 髪を掴まれたまま、後ろ向きに引っ張られ、非常階段下に連れていかれる俺。 「ちょちょちょ、榛、痛い、ガムでもついて・・・いでっ」 グイッ 強い力で引っ張られ、上を向かされる。 目の前には、上から見下ろす榛の怒った顔がある。 「な、なに?どした?」 「センパイ、俺の玩具って自覚あんの?」 「え、なに?おもちゃ?」 「この前、あきで遊ぶって言ったでしょ」 「・・・あ」 「俺のもんなのに、なに簡単にひとに触らせてんの?」 ぐぐぐっと髪を掴む榛の手に力が入る。 「いててててて!ちょっと、マジで痛いって!」 「痛がってるあきの顔、マジでさいこー」 反り返る程髪を引っ張られ、痛くて涙が出そうになる。 「はは、なにその顔、ちょーかわいいんだけど」 「っんん~!」 上を向かされたまま、榛が頭上からキスしてくる。 「はぁ、んん、うぅ」 「あき、気持ちい?」
/195ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1301人が本棚に入れています
本棚に追加