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榛は手錠を外して、赤くなった俺の手首をそっと握る。
「もう、いいのかよ」
「うん。あきが怒ってないってわかったから」
俺がもし怒ってたらどうなってたんだ?
・・・考えない方がいいな、きっと。
ベッドに上がって来た榛は、俺を背中からぎゅっと包むように寄り添ってくる。
「後ろからぎゅってすんの、好きだよな、榛」
「うん。あきの項、見えるから」
そーかこいつ、うなじ好きだっつってたもんな。
「ここに、あきの呪いがかかってたから・・・」
うなじに唇を寄せられて、くすぐったい。
「呪い?なんの?」
「んー・・・もういい・・・あきが、解いてくれたから・・・・・・」
とぎれとぎれの言葉の後、榛はすうすうと寝息を立て始めた。
「俺の、呪い・・・?」
もう解けたって言ってたけど・・・。
榛の言葉の意味が知りたかったけど、思い当たることが無くて、諦めた俺はもう一度寝る事にした。
俺は、榛の腕の中で夢を見た。小学生だった頃の夢を。
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