初恋は実らない

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初恋は実らない

小学校の頃の俺は、今とは違ってクラスの中でも身長が高くて結構目立つ存在だった。 自分で言うのもなんだけど、顔も悪くはなかったと思うし、モテていたと思う。 せっかくの高身長を使わないのはもったいない、と母に言われ、バスケでもしてみようということになり、市内の総合体育館へ通うことになった。 同じ日にチームに入ったヤツがいたな・・・。 ・・・そうだ、榛だった。 榛は学年がひとつ下で、女みたいに可愛い顔で、チビだった。 身長が高かったおかげで、俺はすぐにゲームに使って貰えるようになって・・・ 榛はいつまでも上手くなんなくて、よくひとりで練習してたっけ。 その姿が一生懸命でほっとけなくて、俺は榛の練習に付き合うようになっていた。 頼ってもらえるのが嬉しくて、懐いてくれる榛がかわいくて、ふたりで練習する時間が好きだった。
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