1302人が本棚に入れています
本棚に追加
ある日、練習中に榛が足を捻挫して、俺が救護室までおんぶして行くことになって・・・・・・
「気持ち悪い」
そうだ。
俺は言ったんだ、榛に。
背負った榛に、いきなりうなじを舐められて・・・。
本当にビックリした。榛からされたことに驚いたんじゃない。
ひとつ下の、しかも男にうなじなんか舐められて、気持ちいい、なんて思ってしまった自分にだ。
そんな風に思った自分を否定したかった。だから榛に言ってしまった。
本当に気持ち悪いのは、俺なのに。
次の練習から、俺は榛を避けるようになった。
榛の近くにいたら、ドキドキする。顔が赤くなってしまう。いくらかわいくたって、榛は男なのに。
榛に惹かれている事を知られたくない。
だから俺は、慕ってきてくれる榛を虐めるようになった。
男なんか好きじゃない。榛なんか好きじゃない。早くこんな気持ち、なくさないといけない。自分に言い聞かせた。
最初のコメントを投稿しよう!