初恋は実らない

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「俺さぁ、親父の小説読んで、いっつも思ってたんだ」 小説?って官能小説、だったよな? 「なにをだよ」 「あきに、こういう事してぇなって」 「・・・どう、いう事・・・?」 なんか聞くのも怖いけど、酷いことしていいって言ったのは自分だしな・・・、一応聞いとかないと・・・ 「ん?抱きしめたり、キスしたり・・・好きだって言ったり」 「え・・・?」 てっきりSMっぽい事言われると思ってたのに。 「好きだよ、あき」 「あ、え?」 膝を抱えて座っている榛が振り返り、目が合う。優しく弧を描く瞳に、俺の心臓は勢いよく跳ねた。 「お、お、おれ・・・も」 ドキドキしすぎて上手く言葉が出てこない。 「俺は、初めて会った時から、あきが好きだ」 「・・・初めて、って・・・」 ミニバスチームに入った、あの日から?
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