初恋は実らない

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「ガキの頃の好きなんて、ままごとみたいなもんで、すぐに忘れるって思ってた」 榛の言う通り、俺は忘れていた。 「あきに虐められてなかったら、忘れてたかもしれない」 「・・・それは、マジでごめん」 「なんで謝んの?俺は、あきに泣かされて良かったと思ってるよ」 ・・・本当は、マゾか?榛よ。 「ずっと忘れられなかった。憎むくらい、あきの事ずっと考えてた。ただの好きで終わってたら、今あきは俺の隣にいない」 ・・・そうかもしれない。 榛に復讐されなければ、俺は、男を好きだって言うことを隠して、できるだけ平凡を保ち続けて、無難に生きていくしかなかった。 榛が無理矢理、俺の平凡をブチ壊したから・・・榛が好きだって素直に言えた。 「俺の初恋はあきだよ。どれだけ女を抱いても、あき以上に心が動いた相手なんかいない」 榛の言葉に、嬉しくて恥ずかしくて、顔も耳も指先までも真っ赤になってしまう。 俺たちは、初恋どうしってこと・・・?
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