1298人が本棚に入れています
本棚に追加
/195ページ
「ガキの頃の好きなんて、ままごとみたいなもんで、すぐに忘れるって思ってた」
榛の言う通り、俺は忘れていた。
「あきに虐められてなかったら、忘れてたかもしれない」
「・・・それは、マジでごめん」
「なんで謝んの?俺は、あきに泣かされて良かったと思ってるよ」
・・・本当は、マゾか?榛よ。
「ずっと忘れられなかった。憎むくらい、あきの事ずっと考えてた。ただの好きで終わってたら、今あきは俺の隣にいない」
・・・そうかもしれない。
榛に復讐されなければ、俺は、男を好きだって言うことを隠して、できるだけ平凡を保ち続けて、無難に生きていくしかなかった。
榛が無理矢理、俺の平凡をブチ壊したから・・・榛が好きだって素直に言えた。
「俺の初恋はあきだよ。どれだけ女を抱いても、あき以上に心が動いた相手なんかいない」
榛の言葉に、嬉しくて恥ずかしくて、顔も耳も指先までも真っ赤になってしまう。
俺たちは、初恋どうしってこと・・・?
最初のコメントを投稿しよう!