1298人が本棚に入れています
本棚に追加
/195ページ
「あき・・・酷いことしていいって言ってたけど」
「あ?え、うん」
俺の顔を挟むように、榛は両手をベッドについて覆い被さってくる。
・・・なにされるんだろ・・・。
怖い。でも、受け入れる覚悟はしてる。榛が好きだから。
きゅっと結んだ唇に榛の唇がそっと落ちてくる。
何度も何度も、何度も。
俺の唇の形や温度や感触を確かめるような、音も無いただ触れるだけのキス。
閉じていた目を開けると、バチッと榛と目が合った。
「あきのまつ毛、震えてたよ?酷いことされるの、期待してた?」
「は、はあ!?なわけ・・・」
「でもその期待には応えてあげれないな」
ぎゅううううっと子供みたいに力いっぱい榛が抱きついてくる。
「うぐぅっ!く、るしっ、重・・・っ」
あまりの苦しさに、引き剥がそうと榛の腕を掴む。
え・・・。
俺は、気付いてしまった。榛が震えていることに。
「あき、普通に抱くよ?いい?」
「榛、なんで震えて・・・」
「いつも震えてたよ。あきに触るのがこわくて。俺以上にあきが震えてれば、気付かれないって思って・・・酷いことばっかした。ごめんなさい」
な・・・んだ、それ。
最初のコメントを投稿しよう!