初恋は実らない

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「あき・・・酷いことしていいって言ってたけど」 「あ?え、うん」 俺の顔を挟むように、榛は両手をベッドについて覆い被さってくる。 ・・・なにされるんだろ・・・。 怖い。でも、受け入れる覚悟はしてる。榛が好きだから。 きゅっと結んだ唇に榛の唇がそっと落ちてくる。 何度も何度も、何度も。 俺の唇の形や温度や感触を確かめるような、音も無いただ触れるだけのキス。 閉じていた目を開けると、バチッと榛と目が合った。 「あきのまつ毛、震えてたよ?酷いことされるの、期待してた?」 「は、はあ!?なわけ・・・」 「でもその期待には応えてあげれないな」 ぎゅううううっと子供みたいに力いっぱい榛が抱きついてくる。 「うぐぅっ!く、るしっ、重・・・っ」 あまりの苦しさに、引き剥がそうと榛の腕を掴む。 え・・・。 俺は、気付いてしまった。榛が震えていることに。 「あき、普通に抱くよ?いい?」 「榛、なんで震えて・・・」 「いつも震えてたよ。あきに触るのがこわくて。俺以上にあきが震えてれば、気付かれないって思って・・・酷いことばっかした。ごめんなさい」 な・・・んだ、それ。
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