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榛にトゥンクし始めてからの俺は、部活以外の時間も、視界の端であいつの姿を追うようになっていた。
登下校の時、休み時間や、全校集会、授業中教室から見えるグラウンド・・・
あらゆる所に榛の存在を感じたくて。
あ、榛だ・・・
休み時間の廊下の奥で、同級生達とふざけ合う榛を見つけた。
それだけで何だか胸が苦しくなる。
うう~、何だよこれ・・・
放課後、補習を受けたせいで部活に少し遅れた俺は、誰もいない部室で着替えていた。
ガチャ
「おつかれっす」
遅れたやつが他にもいるのか・・・
振り返ると、榛が眠そうな顔で立っている。
え?二人きり?しかも俺、上着てない・・・
途端に恥ずかしくなった俺は、榛にバッと背を向ける。
「おおおおつかれっ」
「すいません、保健室で寝てたらうっかり寝過ごしちゃって」
「そーなんだ。ほほ補習受けてて、遅れたから、俺も・・・」
背後に榛の気配を感じる。
えええ~、なんで真後ろに立ってんの?ええ~?
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