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「ねえ、先輩。・・・二人のときはあきって、呼んでいいですか?」
「え・・・」
「なんか、樫村さんって呼ぶの、慣れなくて」
「いいいいい、いい、けどっ」
やめろ~、耳に息がかかって、変な気分になるじゃねーか!
「良かった、やっぱあきは優しいね。俺がミニバスでケガした時、こうやっておぶってくれたよね」
「・・・あ・・・」
俺は、ミニバス時代に足を捻挫した榛をおぶって、救護室に連れていった事を思い出した。
「あの時は俺の方が小さかったけど、今は、あきの方が小さいね。おぶさっても、あきの体、ただ抱きしめてるみたい」
「っああ!成長したよな!おまえ!」
「・・・なんか、あき、かわいいな」
やめろよ、なんでそんなこと言うの?
俺はバクバクする心臓の音が榛の声に重なって聞こえるような気がした。
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