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「昼飯みーつけたっ」
木漏れ日が差し込む緑濃い美しい森を歩いていた少女、ユリは、殺気とともに獣の唸り声に似た低い気配を感じ、即座に杖代わりに使っていた武器を握りしめた。
成り行き上やむなくボディガード代わりを務めているカラスの形を持つ獣人(じゅうじん)である、クロは生憎自分たちの昼ご飯を探すために離れている。
もちろん、ユリの気配を消すための魔方陣を書き残していたはずなのだが。
文句は後だ。ユリは首を動かし気配の元に視線を送る。
幸い、敵はたったの一匹。熊の形を成していた。
やせっぽっちのユリのゆうに三倍以上の大きさがあった。あの鋭い爪は、どんな肉でも立ちどころに切り裂いてしまうだろう。
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