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「待て待て待て!」
そのとき部屋の入口付近から声がして、一同は声の方向を見た。見ると、今回の主人公・和田直人が拳銃を構えながら登場した。
「川崎刑事、怪我はないかー!?」
─── あっ、その設定?
いきなり呼ばれて私は拍子抜けしてしまった。
─── マフィア側の人間じゃないんだ……たしかにタイトルが『純情刑事』だから一応筋は通っているけど……
「おい、彼女から手を放せ!」
彼のセリフを聞いて私は首を傾げた。何故なら誰一人も私に触れていなければ、格別ピンチな状況でもないからだ。すると、さっきまで一定の距離を保っていたはずのマフィア一味が慌てて私を取り押さえた。
─── 不本意。
私は思わず溜息をついた。
─── てかさ、潜入調査だったらもう少し潜らせてよ!出てくるの早すぎだから!
そして、出来の悪い相方を嘆いた。
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