招かれざる客

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招かれざる客

それは秋のある夜のことでございます。 ワタクシが寝所でうつらうつらとし始めた寝入りばな。 妖しげな気配を感じて目を覚ましました。 ふと頭を持ち上げると、月に照らされた窓の向こう、鋭い眼がこちらを覗いているのが見えます。 それはまるで、今宵の獲物を探すケダモノのよう。 ワタクシ、戦争で主人を失った未亡人とはいえ、まだまだ夜の独り寝は心細いもの。 こちらを見つめる眼光のあまりの鋭さに腰を抜かし、逃げ出すこともままならず、息を潜め、じっと身構えるしかありません。 そのケダモノは器用に扉を開けると、するりと部屋に忍び込んできました。 ワタクシも体をギュッと固くして様子を伺います。 そのケダモノ。そうっと顔を寄せ、すっと匂いを嗅いだかと思うと、おもむろにあらゆるところをまさぐり始め始めました。 ワタクシ、あまりの恐ろしさに声を出すことも叶わず、黙ってケダモノのされるがままにするしかありません。 そのケダモノ、次第に興奮してきたのか、鼻息が荒くなり始めました。 あらゆるところをまさぐっていたその毛むくじゃらの腕が、ようやくその奥の秘めていたモノを見つけてしまいました。 ワタクシも思わず『アッ』と声が漏れそうになり、慌てて口をつぐみます。 そのケダモノにワタクシが気づいていることを知られる訳にはいきませんものね。 されるがままにしておく方が、身のためってもんです。
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