古い心を捨てる

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人を羨ましがる心 いつも付きまとってくる嫉妬心。 私も美人に生まれていたら…私もお金持ちだったら…。普通に生まれて普通の結婚をして毎日子育てに追われて…。高望みなんて出来ないのは分かっている。何もしない夫。どこに行くのも2人の子供を連れて行かなくてはいけない。 「はぁ…。」 溜息の毎日。朝起きてご飯の支度に掃除、洗濯、買い物、そして晩ご飯。私は何でこんなに不幸なんだろう。独身の友達は飲み会に旅行に皆んな楽しそう。そんな不満だらけの毎日。 久しぶりの友達からの誘い。夫が2人の子供を珍しく見ていてくれるという。 とびきりのお洒落をして女子会へ。ナンパされて合流。心はウキウキワクワク。散々お酒も飲んでタクシーで帰宅。 …静かな自宅…。「もぅ、皆んな寝てるよな。」そぉっと寝室に忍び寄りドアを開ける。 誰も居ない…。自宅の電話が鳴り出す。嫌な予感が頭の中を駆け巡る。 「はい。」 …受話器が手から滑り落ちた…。 それからの行動を覚えていないが、目の前のベッドの上に夫。小さな子供達。 事故に巻き込まれたらしい…。 昨日までの幸せな日々が頭の中をグルグル回る。 ずっと不満にしか思ってなかった幸せな日々…。 やっと自分の幸せがどこにあるのかが分かった。 もう独身の友達や美人やお金持ちが羨ましいとは思わない。 私が1番幸せだったんだ…。 もぅママって呼んでスカートの裾を引っ張る愛らしい笑顔を見る事ができないのか…。 3ヶ月後 怪我が回復して元気に帰って来た家族。 私のかけがえのない家族。 私は人を羨ましがったり嫉妬心だらけの心を捨てる事が出来た。 新しい心…。今この瞬間私は誰よりも幸せだと心から思える。
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