0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
人を羨ましがる心 いつも付きまとってくる嫉妬心。
私も美人に生まれていたら…私もお金持ちだったら…。普通に生まれて普通の結婚をして毎日子育てに追われて…。高望みなんて出来ないのは分かっている。何もしない夫。どこに行くのも2人の子供を連れて行かなくてはいけない。
「はぁ…。」
溜息の毎日。朝起きてご飯の支度に掃除、洗濯、買い物、そして晩ご飯。私は何でこんなに不幸なんだろう。独身の友達は飲み会に旅行に皆んな楽しそう。そんな不満だらけの毎日。
久しぶりの友達からの誘い。夫が2人の子供を珍しく見ていてくれるという。
とびきりのお洒落をして女子会へ。ナンパされて合流。心はウキウキワクワク。散々お酒も飲んでタクシーで帰宅。
…静かな自宅…。「もぅ、皆んな寝てるよな。」そぉっと寝室に忍び寄りドアを開ける。
誰も居ない…。自宅の電話が鳴り出す。嫌な予感が頭の中を駆け巡る。
「はい。」
…受話器が手から滑り落ちた…。
それからの行動を覚えていないが、目の前のベッドの上に夫。小さな子供達。
事故に巻き込まれたらしい…。
昨日までの幸せな日々が頭の中をグルグル回る。
ずっと不満にしか思ってなかった幸せな日々…。
やっと自分の幸せがどこにあるのかが分かった。
もう独身の友達や美人やお金持ちが羨ましいとは思わない。
私が1番幸せだったんだ…。
もぅママって呼んでスカートの裾を引っ張る愛らしい笑顔を見る事ができないのか…。
3ヶ月後 怪我が回復して元気に帰って来た家族。
私のかけがえのない家族。
私は人を羨ましがったり嫉妬心だらけの心を捨てる事が出来た。
新しい心…。今この瞬間私は誰よりも幸せだと心から思える。
最初のコメントを投稿しよう!