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護プロディースの下、いつもの「妥当」から「完璧にイケメてる」スタイルとなり合コンデビュー。しかし心躍らせて行ってみるも女優の卵といおうか、ただどこかで旨い事ひっかかろうと媚びている女子の集まりで、想像とはまるで違い真人は辟易した。
映画の話で気の合う女子と……淡い期待をしていたが、「えー見てなーい、どんな映画なんですかぁ」と振られ、映画のストーリーを軽く語れば「語っちゃうタイプ?」と突っ込まれる。「時代がちゃうで」と護のアドバイスに従って歩み寄ったマトリックスでさえも「いつの時代の映画」と吹き出されてしまったらもう何も言えまい。そう、それ以後、真人は護の合コンの誘いには一切乗っていない。
大学のほぼ男で占められたそんな熱心でもない映画サークルの新歓で出会って以来、真人と護はその対角な性格から「陰」と「陽」と呼ばれ、のちのち飲み会発展して「インド洋」とお笑いコンビさながらに呼ばれるようになる。
コンビを組んだ覚えはないが、全く性格は違うのになぜか一緒にいることが多いのも確かで、こうもお互いに一緒にいるのはやはり磁石的に引っ張られる何かがあるのだろう、真人は護のこういう強引な優しさを好意的に捉えていたし、自分より華があることに憧れもした。
「その優しさはありがたいんだけど、俺本当に合コンとかで元気になるタイプじゃないだろ、いい加減わかれよ」
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