光のプリズム

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飯を口いっぱい頬張りながら護は何度目かの愛の告白。銀杏の存在に気づいていたことと、それを真人の好みに当てはめていたこの細やかさ。護を好きな理由であり女にモテる理由だ。真人はにやけながら言う。 「きっも」 「俺は好きやで。だから悔しいんや。お前の良さがどうしてこう伝わらへんのか。やみくもに誰でも誘ってるわけちゃう、俺はお前の良さを女子にわかってもらいたいんや」 そしてやっぱり合コン誘いに話が戻るのだった。 「言っとくけど、もうあの子関係ないからな。あれはもう俺の中では終わってるしそんなでもなかったし。今は俺んち色々あってそれどころじゃないんだよ」 「色々って、あんな穏やかな親父さんだけでどうやったら色々あんねん、なんや、親戚の遺産相続にでも巻き込まれたか」 護は真人の家にも何度となく遊びに来ているのもあり、真人の家庭の事情に詳しくなっていた。行けば毎回仏壇に手を併せる程だ。一度、真人の父も入って護が持ち込んだたこ焼き器を使ってたこ焼きパーティーになったことがあった。 父がいる日に友人を家に招くことこそ思えば初めてだったし、なんならその日は三人で呑んだくれて父までもギターを持ち出して歌うという、過去を振り返っても起こりえない珍しい光景が真人の家で見られたのだ。     
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