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それから数日経った晩、勢いよく玄関の扉が開いた。
何事かと飛び起きればそこには見たことのない男が壁に腕を付いて肩で息をしながら立っていた。
「すまない、匿ってくれ」
男は扉を閉めると、ふらりとその場に倒れ込んだ。
「おい、大丈夫か」
室内に血液の匂いが漂う。それはとても美味しそうとはいえない匂いで、瞬時に彼が同属であることを悟る。
「怪我をしているのか」
彼に歩み寄ろうとしたとき、外から叫び声が聞こえてきた。それはだんだんと近づいてくる。
「ハンターだ」
彼は小さな声でそう告げた。
俺は瞬時に保管庫の扉を開け、彼の体を支えながら保管庫のなかに移動した。一人分のスペースしかないため、俺は彼をその中に閉じ込めた。普段はかけていない鍵をかけ、その鍵は机の引き出しの奥に隠した。
と同時に玄関の扉を叩く音がした。
「夜分すみません、保安協会です。ご協力願います」
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