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「その髪型も飽きたでしょ? 新しいのプレゼントするね!」
その年の父の日。私はまた沙来紗からカツラをプレゼントされた。しかも今度は金髪……。
「沙来紗、金髪はパパにはちょっと似合わないんじゃないかなぁ?」
「そんなのかぶってみなきゃわかんないよ。早くかぶってかぶって!」
観念した私は黒い塊を取り、金色の塊を頭に乗せた。
「わぁーっ、ステキーっ。カヅレェザァみたーい」
まさか全身赤い服を着てみてとか言わないよね?
「沙来紗、パパ困ってるじゃない。ママも金髪のパパなんておかしいと思うわ」
「でもでも、沙来紗だって気分によってヘアースタイル変えてるよ? パパだって色々な髪型にしたいよね?」
潤んだ瞳で見上げられた私は、
「そうだね。休みの日とか、週に一度は金髪になるのもいいんじゃないかな?」
カヅレェザァになることを受け入れるのだった。
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