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新谷教諭の自宅の近くに住んでいたことなど、思いもよらなかった。実は新谷教諭は教員をやめて、今は看護学校に通っているとのことだった。
それから何度か新谷愛奈と会い、たまに食事などもご一緒した。どうやら新谷愛奈は大の子供好きらしく、もし、休みの日や授業が終わった後で暇のある日なら、理子を預かってくれると申し出てくれた。
最初はあまりに申し訳ないので、お断りしていたが、新谷愛奈の理子に対する態度を見ていると、本当に子供が好きなんだなあ・・・と伝わって来たので、感謝して申し出を受けることにした。
絵美子自身、正直お金のやり繰りが本当に大変だったので、実は新谷愛奈の申し出は、渡りに綱だった。
「先生、有難うございます!」
「いえいえ、それにもう先生じゃないから、ほら~、りこちゃん、ママがお帰りでちゅよ~」
「うううん・・・」
理子は心地よい夢でも見てるかのように、顔を綻ばせて寝ている。
「ふふ、快眠中ね、折角だからお茶いれるわ、座って」
愛奈は可愛らしい木製のテーブルの前に、光沢が鮮やかなビロードの座布団をポンと置いた。
テレビでは今年の全日本大学女子駅伝の結果が放映されていた。
〈今年の大学女子駅伝は京都城北大学の3連覇で幕を閉じました〉
圧勝か・・・どうやら東央大学に冬童選手は登録されていないようだった。
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