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絵美子は高校卒業と同時に家を出た。
部活を退部してから絵美子は放課後遅くまで毎日勉強に精を出した。勿論大学に行く経済的余裕はなかったので受験勉強ではない。当時の担任は悪い人間ではなかったがオタク気質で加えてパッとしない風貌から、女子生徒からの人気は最低レベルだった。そんな担任教師の口癖は「これからはコンピューターの時代になる」であった。
勿論パソコンになど全く興味がなかった絵美子だが、なぜかこのオタク担任の口癖は絵美子の頭の中に妙に棲みついたので、とりあえずパソコンの勉強をすることにした。やってみると如実にコンピューターの凄さを理解し始めることが出来た。たしかに担任の口癖もあながちオタクの妄言でもなさそうだと感じた絵美子は、ほぼ毎日放課後は学校のパソコンを使わせてもらった。
その努力のかいあってか絵美子は、高卒で当時北海道では誰もが知っている地元の有名企業に就職することが出来た。
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