憂鬱な日常

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 それでも考えてしまう。せめて子供がいればと。結婚して十年。タイミングはなかった訳ではない。だけど、わたしも貴之もまだ早いと、気づいてみれば、わたしも三十八歳になっていた。貴之は来年四十歳になる。貴之はともかく、わたしのタイムリミットは近い。そもそも身体を重ねることも、年に数回あるかないか。それについても凄く悩んだ。貴之には性欲はないのかしら? それとも風俗や浮気? これは一番考えたくなけど、わたしに魅力を感じなくなったのか。これでもそれなりに気は使ってるし、既婚なのを承知で飲みの誘いもかかる。そんなに魅力がないとは思いたくない。でも、今日小百合に言われた言葉が引っかかる。 「ねえ綾、ちょっとやつれたんじゃない?」  わたしはその言葉を流したが、トイレに立った時、思わず鏡を凝視してしまった。いつもと変わらないけど。でも、毎日見てるから気がつかないのかしら? 結局自分では分からなかった。  わたしは目を開け、はあ……っと、またため息一つ。  やっと部屋も温まってきたので、とりあえずご飯にしよう。そして、お風呂に入って寝よう。どうせ貴之はなんでも出来るから。
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