ひとりわらし

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ひとりわらし

 ピンポーン。 「はい……」 「こんにちはー、ショウ君いますかー?」 「あ、ケンちゃん。もう来てくれたんだ。ちょっと待って、今開けるね……いらっしゃい。どうぞ上がって」 「お邪魔しまーす……しっかし、お前ん家、でかいなあ。初めてだけど、すぐにわかったよ。うわ、中も広いなあ。部屋もいっぱい有りそう」 「こっちが僕の部屋。さあ、座って座って。早かったね」 「うん、一旦ランドセル置いて、用事済ましてからって思ったけど、なんだかお前、早く来て欲しそうだったからさ。用事の方は明日にした」 「有難う!実は今日、ママが出かけてて、7時ごろまで一人でお留守番なんだ」 「それで、急に“今日、遊びに来てよ”とか言い出したんだな。一人でいるのが怖くなったんだろ。あはは、お前って、本当にビビリだなあ」 「だって……ケンちゃんがあんな話するんだもん」 「ああ、"ひとりわらし”の話な……まあ、お前は転校してきたばかりで知らないだろうけど、うちの小学校の生徒なら、みんな知ってる有名な話なんだ。そういうのを知っといた方が、みんなと話も出来て仲良くなれるだろ?だから早めに教えた方がいいと思ってさ」     
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