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「どうして私に声かけたんだろう?って最近考えちゃって」
「え?栞里ちゃんに一目ぼれじゃないの?」
「まさか……私なんかに……」
「なんか一生懸命な感じが好感持てたんだけどな」
友里は少し思い出す様な表情をした。
「もちろんいい人なんですよ。すごく。でも……なんていうのか女性慣れしているって言うか、私じゃなくてもいくらでも他の素敵な人見つかる気がして」
「栞里ちゃん……それって好きって事じゃないの?」
栞里はいきなり言われた言葉に、驚いて拭いていたコップを落としそうになった。
「友里さん!止めて下さい。びっくりした」
「だって、そうでなければそう言う事は気にしないでしょう?栞里ちゃんって本当に自分の事は認めたくないのね。でも今はそれでいいのかもね。もっと彼のこと知ってからの方がお姉さんも安心よ。」
友里はニコッと笑うと厨房へ戻って行った。
(私が拓海さんを……好き??)
少し動揺した栞里の事など知らずに、拓海はココットに現れた。
いつも通り、窓際で外を見たり時にはパソコンで仕事をしたりしていた。
そしていつも通りに笑顔の拓海に栞里は安堵した。
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