楽しき日々

11/22
前へ
/161ページ
次へ
「ねえ、拓海さん。あそこの店ってなんの店か知っていますか?」 窓の外から見える一軒の小さな店を栞里は指さした。 「え?どこ?」 「ほら、あそこの赤いお店。」 2人で外を見ていると、 「あそこ、最近できたアロマの専門店みたいよ。」 友里がカウンターから言った。 「あっそうなんですか?」 「へえ。アロマ」 同時に2人で声に出したのを見て友里が笑った。 「アロマってただの香だよな……。それだけで専門店になるの?」 「アロマはリラックス効果とか、リフレッシュ効果とか、効能がいろいろあるんですよ?」 「そうなの?」 「はい。安眠ができたり。私も持ってますよ?」 栞里はカバンのポーチからマッサージ用のアロマオイルを出すと、拓海の顔に近づけた。 「あっ、いい香」 「これはラベンダーでリラックス効果がありますよ。これはオイルだからマッサージとかに使うんですけど、クリームとか枕の下に入れるタイプのとか、いろいろあるから、専門店も最近多いですよ」 「へえー。奥が深いんだな……」 そう言いながら、拓海は栞里のオイルをまだ香っていた。
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

718人が本棚に入れています
本棚に追加