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「ねえ、拓海さん。あそこの店ってなんの店か知っていますか?」
窓の外から見える一軒の小さな店を栞里は指さした。
「え?どこ?」
「ほら、あそこの赤いお店。」
2人で外を見ていると、
「あそこ、最近できたアロマの専門店みたいよ。」
友里がカウンターから言った。
「あっそうなんですか?」
「へえ。アロマ」
同時に2人で声に出したのを見て友里が笑った。
「アロマってただの香だよな……。それだけで専門店になるの?」
「アロマはリラックス効果とか、リフレッシュ効果とか、効能がいろいろあるんですよ?」
「そうなの?」
「はい。安眠ができたり。私も持ってますよ?」
栞里はカバンのポーチからマッサージ用のアロマオイルを出すと、拓海の顔に近づけた。
「あっ、いい香」
「これはラベンダーでリラックス効果がありますよ。これはオイルだからマッサージとかに使うんですけど、クリームとか枕の下に入れるタイプのとか、いろいろあるから、専門店も最近多いですよ」
「へえー。奥が深いんだな……」
そう言いながら、拓海は栞里のオイルをまだ香っていた。
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