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「つけてみてもいい?」
「いいですけど、少しべたっとしますよ。あっ、ハンドクリームもあるからそっちを付けて見て下さい」
栞里はポーチから緑のチューブのハンドクリームを出すと、「手を出してください」と言って、差し出された拓海の手のひらにクリームを出した。
そして自分の手にもクリームを出した。
そして、こうやってと拓海に見せる様に、ハンドクリームを延ばしながらマッサージをして見せた。
「こう?」
なれない手つきでツボを押す拓海を見て、栞里はそっと拓海の左手を取った。
そして、ゆっくりとクリームを延ばして、手のひらを刺激した。
「うー。痛いけどきもちい」
「ここは眼のツボです」ぎゅっと栞里が力を入れた。
「いたー!!」
「ここは?」
「そこも……痛い……」
顔をしかめながら拓海は答えた。
「拓海さん、眼精疲労と、肩こり、あと少し胃腸も弱ってますよ?」
栞里は少し心配そうにマッサージを続けながら拓海を見た。
「あー。気持ちよくなってきた。栞里ちゃん詳しいね」
「反対の手も貸してください。私本よく読むから、肩も凝るし、目も疲れるんですよ。だから独学ですけどツボとかマッサージが好きで。家だとオイルの方がマッサージにはいいんですけどね」
「ここ痛いですよね?」栞里の問いに、『うん……痛い。あー、効く』拓海は項垂れながら栞里のマッサージを受けていた。
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