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「これって」
「代々伝わる音場家の家宝だ。ご先祖様の魂が宿っているからな、愛莉を守ってくれるだろう」
「ありがとう、お祖父ちゃん」
愛莉は勾玉を首から下げると身体があたたかくなった。同時に父と母が脳裏に浮かび応援してくれていると感じられた。
「それはそうと、行先の心当たりはあるのか」
「全然ないの」
「ならどうするつもりだ」
「とりあえず、鬼猫さんたちの気を探ってみるつもり」
「そうか、無理はするなよ」
愛莉は頷き勾玉にそっと手を触れた。温もりがあって心が落ち着く。不思議とうまくいくと思えた。
「お祖父ちゃん、行って来るね」
「ああ、気をつけるんだぞ」
***
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