温泉戦争

夢湯治の人々

メンバー⑤
　30を目前に控えた拓海は、眼鏡をかけ、一見サラリーマン風の青年で温泉場には似合わない風貌ではあるが、パソコン作業を得意とし、インターネットを駆使した夢湯治の広報を担っている。

　背はあまり高くなく、皆と協調するよりは自分の世界に没頭し、競争することなく淡々と仕事をこなす。

　周りの空気を読めるタイプではないが、パソコンや電子機器を前にすると俄然力を発揮する、いわば現代人の象徴的存在である。

メンバー⑥
　20代半ばの成実はまだ夢湯治に勤めて2年目で、先輩の正弘や美香に指導を受けつつ、年代の近い拓海に確認しながら仕事を覚えている。

　あまり覚えのいい方ではなかったが、困ったことは先輩に聞き、何か問題があるとすぐに報告する基本的な姿勢はしっかりしており、少しずつだが1人でできる仕事が増えている。

　背はあまり高くないが、ぽっちゃりとした体形で愛嬌ある仕草は皆に好感を与え、先輩たちからは可愛がられている。