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休憩室を後にした隆史は、そのまま事務室へ向かった。
事務室では拓海がパソコンの画面を見ながら食事をしていた。
どうやら仕事をしているのではなく、最近のニュースを眺めているようだった。
隆史は拓海の横の椅子に腰かけ、話しかけた。
「ねえ、拓海さん。
これからの夢湯治に必要なこととか、これから変えていきたいこととかありますか?」
拓海は隆史の突然の質問に少々驚きながらも、パソコンの画面から視線を外して、隆史を見ながら答えた。
「まぁ 私は夢湯治の広報担当ですから、別にこれと言ってないと言えばないのですが…」
拓海は、かけている眼鏡を左手でクイっと上げながら答えた。
「しいていえば、僕としてはこの夢湯治を、ネットを通じてもっと全世界に広めたい…ですかね。
今の時代、やっぱり口コミを待ってちゃいけないと思うんですよ。
情報はこちらから発信していかなきゃ。
そのためには、僕だけじゃなくて、みんなに協力してもらえればなー…
なんて思うことはありますね」
拓海は意気揚々と答えた。
どうやら『夢湯治広報担当』の責任とプライドが、彼の口を動かしているようだ。
「なるぼど…新しい意見…
拓海さん、どうもありがとう」
隆史は礼を言うと、ひとまず自分の部屋へと戻って行った。
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