進むべき道

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「思うとおりに進め…」 「?」 「先代なら…  たぶん先代なら、そう言うような気がしましてね」  源治は一息ついて、続けた。 「温泉リゾート施設のことは、先代もかなり気にされていました。  その度にいろいろと相談を受けていましたが…  私はいつも聴くばかりでして。  気の利いたアドバイスなんて、できやしませんでした」  源治は照れくさそうに頭をポリポリ掻いた。 「新しいものを取り入れてもいい。  時代に沿ったやり方に変えてもいい。  ただ、風呂から上がった後のお客様の笑顔を考えて、行動すること。  悩みに悩んでいた先代の背中からは、そんなものを感じましたよ」  源治は穏やかな表情で続けた。
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