進むべき道

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「先代は、あまりたくさんの従業員には相談されない方でした。  どちらかといえば、自分で考え、答えを見つけて、それを伝える。  ただ、それはあくまでも先代の話。    坊ちゃん。  坊ちゃんは坊ちゃんのやり方で構わないのですよ。  みんなの意見を聴き、それを自分なりにかみ砕き、吸収して進む。  先代とは違ったやり方、それはそれで時代に沿った方法なのでしょう。  源治はいつもここにおりますから」  そういうと、源治は笑顔で隆史を見た。  隆史は張りつめていたものが緩むのが分かった。  そして、深々と源治に頭を下げた。  源治も合わせるように、深々と頭を下げた。  二人とも、それ以上言葉は交わさなかった。
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