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「皆さんの意見を聞いて、何か新しいものを取り入れた方が良いという意見と、このままの夢湯治で良いという意見が聞かれました。
そして近隣の風呂に入ってみて、気づいたんです」
一同から、再度ふんふんという相槌があった。
「他の温泉に入って分かったんですが、夢湯治の良さは、温泉の質はもちろんのこと、このアットホームな雰囲気だと思ったんです」
源治はちょっと驚いたように、隆史を見た。
「それぞれの温泉にはそれぞれに良いところがあり、それぞれにねらいがあることが分かりました。
大勢の顧客に楽しんでもらえるよう、様々な種類の温泉を用意しているところ、古い家屋の雰囲気を大切にしているところ…それぞれに個性がありました。
では、夢湯治の個性とは何なのか?
それを随分と考えましたし、悩みました。
そして、僕なりの答えらしきものに突き当たりました」
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