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「そうか。ならばよろしい。
本来ならば、ワシの息子、お前の父親である清隆がここを継ぐべきではあるが…」
『またその話か…』
隆史がこの話を聞くのは、もう何度目か分からない。
「不幸にして、早死にしてしまった。
親よりも早く死ぬとは…これ以上の親不孝はない」
事実、隆史の父親はつい3ヶ月前に亡くなった。
それは隆史が高校3年になって、すぐのことだった。
「ワシもあとは息子に任せればよい…と考えていたが、現実は脆くも崩れた。
お前には、本当にすまないと思っている。
ただ…」
祖父は一息ついてから言った。
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