24人が本棚に入れています
本棚に追加
/112ページ
源 治
「いやぁ、びっくりしました。
突然、ふらっとしたら目の前が暗くなっちゃって…
なに、ちょっと疲れが溜まったんでしょう。
2・3日もすれば、復帰しますから」
源治はいつもの調子で、笑顔で話した。
倒れたあの日、救急搬送された源治は、即入院となった。
2日間はベッドの上でぐったりして、点滴を受けていたが、今は体調が戻ったらしく、ベッドを半分ほど上げて、見舞いに来た隆史に笑顔を見せていた。
源治には身寄りがない。
隆史の母、智美が身元引受人となり、いろいろな手続きと世話をしていた。
数日後、智美は医者に呼ばれた。
検査の結果が出たのだ。
隆史も近親者として、その説明に付き添った。
それは隆史が自ら志願したことだった。
最初のコメントを投稿しよう!