源 治

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 皆の心配をよそに、源治はいつもと変わらず働いた。  そうしているうちに、梅雨が明け、暑い夏がやってきた。  避暑地で知られるこの町には、梅雨前と同様の活気が蘇った。  当然、夢湯治も忙しくなった。  2つの大浴場はもちろん、五右衛門風呂の予約も多くなり、従業員たち自分の持ち場以外の場所にも足を運び働いた。  いつもパソコンの前にいる拓海が受付に立つ日もあった。  忙しい毎日が続いたが、みんなは充実していた。  みんないい顔をしていた。  源治が元気でいてくれることが、夢湯治全体を元気にしていた。  世間が夏休みに入ると、町全体の客が増え、ますます忙しさは増した。  皆、休日返上で働く中、その事件は起こった。  源治が入院したのだ。
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