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休日、源治は朝起きて霧が立ち込めていたら、すぐに高台の神社へと行くようになった。
そしてその光景を写真に収めるようになった。
月給は決して高くはなかったが、こつこつ貯めて、安ながらもカメラを買った。
生活は困窮していたが、あの感動の瞬間を収めたくて、少々無理はあったものの中古のカメラを買った。
そして雲海の出る日、神社へと駆けあがると、必ずあの女性に会った。
何故そこにいるのかは分からない。
ただ2人はそこで雲海の出る朝、ほぼ毎回会うようになっていた。
初めは雲海を見るために訪れていた神社だったが、源治はいつしか彼女の存在を心待ちにして駆けあがるようになっていた。
そして撮影して現像した写真を見せ、ともに時間を過ごすことが多くなった。
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