24人が本棚に入れています
本棚に追加
/112ページ
激 戦 区
源治を筆頭に、好美、正弘、美香、拓海、そして成実。
この6名に自分を加えた7名で、これからの夢湯治を作っていかなければならない。
この6名を活かしつつ、夢湯治の伝統を守り、かつ時代に沿った温泉にしていくには…。
隆史はいつも高校に通いながら、そんなことを考えていた。
亡き父の遺志を受け継ぎ、そして祖父に恥ずかしくない結果を報告して、安心してもらうために。
当然、隆史には母親がいる。
しかし、母智美は主婦業の傍ら、温泉場の掃除やタオル等の洗濯、アメニティの注文や会計業務を一手に担っていたため、直接的な経営の話し合いには参加せず、あくまで裏方業務を担っていた。
そのため、母親と温泉の今後についてなどを話すことは皆無で、母親もそこについては何も言うことはなかった。
最初のコメントを投稿しよう!