改 革

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「じゃあみんな、坊ちゃんの提案は大方賛成ということでいいんだね?」  源治が全員に問うと、みんなは力強く頷いた。  みんなオーシャン・スパの開店を不安に思っていたのが嘘のように、その表情からはやる気が窺えた。 「分かりました。坊ちゃん。  私はすべての費用の面に関して、おかみさんに掛け合ってみます。    あと、町の観光協会に案内図やパンフレットについて聞いて、商工会で物産品について聞いてみます。物産コーナーのスペースも確保しなくちゃな。  五右衛門風呂は、たぶん私しか経験がないと思うから、そこに関しては拓海くんから情報をもらい、正弘さんと打ち合わせをしましょう。  女性陣は女性に特化した商品の手配を頼みます。  さて、忙しくなりますな」  源治は目の前のお茶をぐびりと飲んだ。 「好美さんは、五右衛門風呂入ったことあるんじゃないの?」  お茶を飲みながら拓海が聞くと、好美は無言でその背中を引っぱたいた。 「そんなことは聞かないの!」  好美はかなり本気だったらしく、拓海はお茶を吹き出し、しばらく息ができなくてもがいた。  休憩室には笑い声が響いていた。
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